浪速風

「逆噴射機長」を思い出した

昭和57(1982)年2月9日、東京・羽田空港沖に日本航空機が墜落した。機長が突然、操縦桿(かん)を前に倒し、エンジンを逆噴射させたのが原因だった。副操縦士が「機長、何をするんですか!」と叫んで操縦桿を引き戻したが、機体は海面に激突した。逮捕された機長は心神喪失で不起訴となった。

▶アルプス山中に墜落したジャーマンウイングス社機の事故原因に驚いた。仏検察当局は「副操縦士が意図的に機体を破壊しようとしたとみられる」と発表した。ボイスレコーダーでは、副操縦士は管制官の呼びかけにも応えず、コックピットを出て閉め出された機長が必死にドアを叩く音が録音されていた。

▶はたして149人を道連れにしての自殺なのだろうか。米中枢同時テロ以降、ハイジャック防止のため、コックピットのドアは外からは開けられないようにされたが、今回のようなケースは防ぎようがない。どんなに安全策を講じても盲点がある。問題は深刻である。