経済インサイド

「馬鹿げた計画」酷評「宇宙太陽光発電」 NASAが手を引いても開発続ける「技術立国日本」の意地

現在、JAXAや民間企業は運搬コスト削減のため、SSPSシステム自体の軽量化と送電の効率化などの研究開発を進めている。だが、静止軌道までの運搬についての研究はほとんど進んでいない。

ある大学の研究者からは「火力発電所や原発の建設費の数千億円を考えると、SSPSの研究自体が税金の無駄遣いだ。洋上や風力発電などの効率化を図った方がよほど有益的」と残念な指摘をされるありさまなのである。

研究開発を継続する理由は…

では、なぜ政府はこれほどまでにむちゃな計画を推進しようとしているのか。

内閣府の宇宙関連予算は年間約2800億円。そのうち、経産省がSSPS関連で使用している予算はわずか年間約2.5億円と微々たるもの。同省の担当者は「将来の実現性と今後の技術応用価値を考えれば、妥当な予算配分だ」と主張する。

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