昨年3月のクリミア併合、同4月から始まるウクライナ東部の内戦を契機に、欧米や日本、オーストラリアなどから経済制裁を受けるロシアでは、こうした国々の有力政治家や有名人が親露的な発言をすると、官製メディアが大きく取り上げる傾向が定着している。経済的な苦境を迎える中で、不満が高まる住民に向けた一種のガス抜き的な側面がある。
ドイツではプーチン大統領とも個人的な親交を深めているシュレーダー元首相。フランス出身で、同国の高額富裕税制に反対してロシアの国籍を取得した俳優ドパルデュー氏。いずれも、ロシアに厳しい措置を取る独仏政府を批判した。米国人俳優ミッキー・ローク氏は昨年9月、モスクワで人気の「プーチンTシャツ」を着るパフォーマンスをしてみせ、国内外で脚光を浴びた。
しかし、こうした親露派の有名人の中でも、欧米が「国際法違反だ」「ロシアの侵略だ」とするクリミアへの訪問は避けている。露有力紙コメルサントも専門家の話として「近年で、(鳩山氏のような)大物がクリミアを訪れたケースはない」と指摘した。