話の肖像画

女子高校生サポートセンターColabo代表 仁藤夢乃(4)「うちの子は大丈夫」は通用しない

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〈政府の統計によると、平成25年度の高校中退者数は年間約6万人。不登校者は中学校で年間約9万5千人、高校で約5万6千人いる。26年の未成年の自殺者数は年間483人。難民高校生となりうる若者は生まれ続けている〉

子供たちが家庭や学校とのつながりが切れ、難民化する理由はさまざまです。貧困、家庭不和、病気、いじめ…。ただ、非行は大人が先にやっているケースが多い気がします。例えば、両親が刑務所から出てきたためにそれまで暮らしていた児童養護施設を出て同居することになった少女は、父親に学校を辞めさせられて夜の仕事をさせられ、性的虐待まで受けた。JK(女子高生)ビジネスに携わる少女たちの行動ばかりを見がちですが、背景に介入していかなければいけないと思います。

逆に、家庭や学校で特に問題もなく、将来の夢もあるような普通の女子高生もJKビジネスの現場で働いています。「うちの子には関係ない」「うちの生徒は大丈夫」は通用しません。街だけでなく、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でも知り合ってしまいます。インターネットに放たれた子供たちの声を検索している大人がいて、巧みに声をかけてくる。SNSのコミュニティーに子供を装って入ってくる大人もいます。

〈Colaboへ駆け込むのは少女だけではない。裏社会に利用された少年たちもいる〉

少年の場合も、私たちの支援の網にかかる前に、危険な労働をしてきています。いずれも使い捨てです。いわゆる「振り込め詐欺」の受け子(現金回収係)や、「保険証を5つひったくってくると30万円」という仕事をしていた少年もいました。雇い主はこの保険証で携帯電話を契約し、JKビジネスの少女の売春斡旋(あっせん)のために使っています。工事現場で資格もないのに重機を扱わせたりもします。雇用契約も健康保険もなく、けがをしても何もしてくれない。本人もどうしたらいいかわからない。周囲の大人たちは、おかしいと気づいているのに声をあげない。最近は難民化した少年たちが少女を利用するような構図もみられます。

〈著書「女子高生の裏社会」では、女子高生31人のインタビューを通じ、子供たちにいま何が起きているかを描写した〉

裏社会のベルトコンベヤーに乗って違法な水商売や風俗業界に行ってしまう子もいれば、性被害にあったり、望まない妊娠をしたりする子もいます。インタビューをして分かったのは、彼女たちは「変わりたい」と願っているということ。でも、自分に自信がないので変われない。背中を押してあげる大人がいないといけない。大人が諦めないことが大事です。両親や教師が諦めたのを子供たちは敏感に察知し、さらに自暴自棄になっていきますから。(聞き手 池田証志)

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