今期で引退、社民・佐藤征治郎氏 古老が語る、いびつな埼玉県議会

 旧岩槻市長で県議通算4期を務めた社民の佐藤征治郎氏(75)が、今期限りで県議を引退する。最大会派の自民と上田清司知事との対立が鮮明となった2月定例会で、佐藤氏は「これから先が思いやられる」と憂いの言葉を残して議場を去った。古老の目に、今の県議会はどう映っているのか。佐藤氏は産経新聞の取材に応じ、「県議会が次期知事選をにらんだ政局の場となっており、いびつな状況だ」と語った。(川畑仁志)

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 --自民と上田知事の対立が激しさを増している

 「この1年間、定例会ごとに争いを演じてきたが、現状を知る県民は少ないだろう。上田知事は議会改革を掲げ政治団体『プロジェクトせんたく』を主導しているが、過去には『議会の自助努力に任せる』と言っていた。今になって『改革が進んでいない』と言い出すことには違和感がある。一方、自民も知事の求心力低下を狙って強硬姿勢を取っている。ともに夏の知事選を見据えているようだ」

 --当初予算案が戦後初めて修正された

 「利根川堤防のソーラーパネル設置計画の調査費を自民が削除したが、上田知事は国土交通省の確認が取れるまで予算執行を止めると答弁しており、何も修正までしなくてもよいと感じた。自民は他の4事業でも『懸念がある』というだけで付帯決議を付けた。県議選で勝利すれば6月議会でも攻勢を強めるだろう」

 --平成19年に旧岩槻市長から県議に復帰した。以前と県議会は変わったか

 「自民の変化を強く感じる。主義主張は別にして昔の自民は包容力があり、幹部が『若手県議が多い委員長を育てるためにもどんどん質疑をしてくれ』と言ってきたものだった。だが、返り咲いたときには『質問するな』と伝えてきた」

 --「県議会は自民県議の一部が主導している」との批判もある

 「自民重鎮の重しが効き過ぎて、バランスが崩れてしまっているのかもしれない。県議会で自民に反論すると、自民の中堅や若手が『先生の言う通り』と言ってくることもある。だが、『県議団会議で声を上げればいいじゃないか』と言うと下を向いてしまう。怖がっているように見える」

 --県議会に何を期待するか

 「現状はいびつだと感じており、議会最後の討論で『叫べども叫べどもなお県民の声届かざるなりじっと議場を見渡す』と石川啄木の代表作を変えて詠んだ。当選後も議員を志したときの信念を忘れずに、緊張感を持って行動してほしい。県民の方向を向いて仕事をしなければならない」

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