廃炉決定でも「原発の新設」引き続き目指す関電

 関西電力が原発の廃炉に踏み切る。一時は発電量の約半分を原発が占め、原発による安価な電力を武器としてきた関電。「原発40年時代」を迎え、今後も廃炉の検討を迫られる一方、原発の新増設は見通しにくい状況が続く。安全審査を申請した原発の再稼働さえ依然、不透明な状況だ。

 関電は、初の原発となった美浜1号機(福井県)を昭和45年11月に稼働させて以降、高浜、大飯(ともに福井県)と建設し、計11基体制を確立。火力発電などと比べ発電コストの安い原発を基軸電源としてきた。

 平成22年には、美浜1号機を引き続き10年程度運転することを決定。さらに建て替えの検討も始めた。しかし東日本大震災で状況が一変。廃炉を迫られることになった。

 関電は17日、美浜の後継機に関し「建設したい気持ちは変わっていない」(担当者)とし、引き続き新設を目指す方針を示した。ただ、原発の新設には周辺自治体の調整で難航する可能性があるほか、政府も原発の新増設に関しスタンスを明確にしていない。老朽化が進む原発の安全対策の費用増大と工事期間の長期化も予想され、経営に不安定さが増す。

 実際、40年超運転を目指す美浜3号機の工事完了時期は約2年先。「40年予備軍」の原発が今後も続くなか、長い時間と多額の出費を繰り返していくことになる。将来の原発比率などを決める政府の議論は始まったばかりで、今後の政策に原発の活用が左右される可能性もある。

会員限定記事会員サービス詳細