月刊正論

移民国家へ一直線 強引すぎる外国人労働者の受け入れ拡大

なし崩しに決まった介護の外国人大量受け入れ

 北陸新幹線の開業によって金沢--東京駅間が2時間半弱で結ばれ、日本がまた一段と小さくなった。だが、同じ「縮む日本」でも歓迎されない話題もある。人口減少だ。

 総務省によれば、2013年10月1日時点の生産年齢人口(15~64歳)は前年より100万人以上も減り、7901万人となった。32年ぶりの8千万人割れである。

 これは始まりに過ぎない。すでにさまざまな産業で後継者不足の悲鳴が上がっているが、今後、勤労世代は毎年数十万人ペースで急坂を転げ落ちるように減っていく。

 勤労世代の不足をどうカバーするのか。安倍政権が出した結論は、女性の活躍推進と外国人労働者による穴埋めだった。

 とはいえ、男性中心の企業文化を改めなければならない女性の活躍推進は一朝一夕で実現できない。成長戦略の果実を急ぐ安倍政権は、まず外国人に活路を見出した。

 しかし、その進め方は強引でさえある。外国人技能実習制度の趣旨をねじ曲げ、「単純労働者」の受け入れを実質的に解禁しようとしているのだ。

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