一方、収容施設襲撃事件のあった5日には、インドのレイプをめぐる別の問題も明らかになっていた。
インドでは2012年12月、ニューデリーの女子学生=当時(23)=が違法営業の私営バスの中で男らに集団レイプされ、残虐な暴力を受けた末に死亡する事件が発生し、各地で反レイプ運動が盛り上がった。
英BBCテレビがこの事件を検証するドキュメンタリー番組を制作したところ、死刑判決を受けて上告中の被告1人がインタビューで、レイプ事件が起きるのは「男ではなく女に責任がある」「まともな女は夜9時ごろにうろつかない」「家事は女の仕事だ」などと発言するシーンがあり、インド政府が、インド国内での放映を禁止したのだ。
インドのベテラン・テレビ記者で作る放送編集者協会は、政府の放送禁止措置を「言論の自由は抑制されるべきではない」と批判している。ただし、録画映像はネット上でコピーされ、インド国内のサイトにも出回った。
インドでは昨年11月から今年にかけて、日本人女性2人もレイプ被害に遭ったことが明らかになっている。今後も、インド政府は多発する犯罪と国民の反応に神経をとがらせることになりそうだ。