モディ政権考

住民数千人がレイプ容疑者を惨殺 制御効かぬ怒り、収拾つかぬ「レイプ頻発インド」

 インド北東部ナガランド州で、女性への強姦容疑で逮捕された男(35)が、群衆に収容施設から引きずり出され、凄惨(せいさん)な私刑を受けた末に殺害される事件が発生し、インド社会は衝撃を受けている。多発するレイプ事件に国民の怒りが高まる中、住民が過激に反応した。いびつな形で不満が噴き出す中、モディ首相は国連の「国際女性の日」の3月8日、女性を保護するためのワンストップ・センターやヘルプラインの創設を決めた。

 事件が起きたのは女性の日を3日後に控えた5日だった。インドのPTI通信によると、数千人の群衆がナガランド州ディマプールの容疑者収容施設を襲撃し、引きずり出した男を全裸にして歩かせ、石を投げつけたうえにバイクにロープでつないで約7キロを引きずり回して殺害した。遺体は、市中心部の時計台につるされた。

 収容施設の警備担当者の数は群衆よりはるかに少なく、蛮行を止めることができなかったという。地元メディアは施設に群衆の協力者がいたとの当局者の話を伝えている。ナガランド州当局は責任者3人を停職処分にした。

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