旧閑谷学校の樹齢100年「楷の木」、クローン再生に成功 岡山

 国の特別史跡・旧閑谷学校(備前市)にある樹齢100年の2本の楷の木(カイノキ)の樹勢に衰えがみられたことに伴い、専門機関で試みられていたクローン再生が成功し、15日に後継樹として里帰りする。

 育苗などを専門とする森林総合研究所林木育種センター関西育種場(勝央町)が、旧閑谷学校顕彰保存会の依頼を受け、同じ遺伝子を受け継ぐ後継クローン苗木の増殖に取り組んだ。同センターは天然記念物など巨樹や名木のうち衰弱している樹木を対象にした「林木遺伝子銀行110番」を行っている。

 昨年2月、2本のカイノキから長さ約20センチの枝36本を採取して、台木に接ぎ木し、20本がクローン再生に成功した。そのうち成長のよい41~25センチの4本が里帰りする。

 カイノキは、ウルシ科の落葉高木で、美しい紅葉が特徴。儒学の祖・孔子の墓所に由来し、別名「孔子の木」といい、学問の聖木とされる。中国の孔子の墓所で弟子らによって植え継がれ、各地の孔子廟にも植えられてきた。

 旧閑谷学校の2本は大正4(1915)年に当時の農商務省林業試験場長が孔子の墓所を訪れ、種を持ち帰って育てた。日本初の導入といわれ、今年で樹齢100年。樹高14・5メートルと16・4メートルの巨木で観光名所にもなっている。

 だが、温暖化や異常気象などで紅葉の色づきが悪く、衰えも目立ってきたため、同保存会が後継樹の育成に計画した。「いますぐ倒木のおそれはないが、貴重なDNAを後世に伝えたかった」という。

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