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「パリのシャンゼリゼ通りに匹敵する国際色豊かなプロムナードにしたい!」
平成26年3月29日、東京都港区の新橋-虎ノ門間1・4キロを結ぶ「新虎通り」の開通式で都知事の舛添要一は笑顔であいさつした。
幅40メートルで地下は自動車専用、地上は車道と広い歩道という二重構造。道路上に超高層の「虎ノ門ヒルズ」(26年6月開業)がそびえ立つ。すべて開通すれば新橋と臨海地域を直結し、2020(平成32)年の東京五輪・パラリンピックではメーンスタジアムの新国立競技場(新宿区霞ケ丘町)と選手村(中央区晴海)などを結ぶ役割を担う。
この道路こそ、幻の大幹線道路といわれる「環状2号線」の一部である。当初は幅100メートルの道路が、外堀通りに代わって新橋-蔵前橋を結ぶ計画だった。
かつてこの道路はGHQ(連合国軍総司令部)のダグラス・マッカーサー最高司令官にちなみ「マッカーサー道路」と呼ばれた。「マッカーサーが虎ノ門の米国大使館と東京湾の竹芝桟橋を結ぶ道路を計画している」という噂がまことしやかに流れたからだった。
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だが、これはウソだった。マッカーサーが道路建設を指示したという資料は一切見つかっていない。GHQは東京の都市機能強化に興味などなかった。少なくとも旧ソ連との冷戦が深刻化するまでは、GHQは、日本を「二度と米国に歯向かうことがない軽工業国」にしようとしか考えていなかったのだ。