【番頭の時代(5)】「鉄ちゃん」社長がローカル線を再生 いすみ鉄道(上)(1/3ページ) - 産経ニュース

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番頭の時代(5)

「鉄ちゃん」社長がローカル線を再生 いすみ鉄道(上)

 「赤字1億円の会社で700万円もらえるのがおかしいでしょう。民間の常識からずれている」

 平成21年5月、万年大赤字で廃線の瀬戸際だった第三セクター「いすみ鉄道」の公募社長を決める面接で、当時48歳の鳥(とり)塚(づか)亮(あきら)(54)は言い放った。

 面接官は千葉県の副知事や沿線自治体の首長ら。「恐らく年収が下がると思うよ。いくらもらってるか知らないけど、いいのか?」と尋ねた一人は、怒りで顔をこわばらせた。それを見た鳥塚は「こりゃダメだ。落ちたな」と思った。採用を告げる電話があったのは、その数日後だ。

 成田空港で外資系航空会社の日本支社に勤務していた当時、鳥塚の年収は約1100万円だった。鳥塚は社長就任とともに、自らの報酬カットを申し出た。かつて鉄道の運転士を目指したがかなわず、航空業界に就職したという筋金入りの鉄道マニアだった鳥塚にとって、鉄道に携わる仕事は夢だった。

 経営トップでありながら、鳥塚は自らを番頭になぞらえる。

 「私の上司は県知事と各首長で、地域の人たちはいわば大旦那。事業の継続を許してもらうのが大番頭の私の務めだ」