正論

防災に障害者の視点は不可欠だ 日本財団会長・笹川陽平

 3回目となる「国連防災世界会議」が3月14日から5日間、宮城県仙台市で開催される。東日本大震災をはじめ各地の大災害では障害者や高齢者など「要援護者」が災害の矢面に立たされ、より多くの被害を受けた。

 これを受け、向こう10年間の世界の防災戦略を策定するこの会議では、今回初めて「障害者と防災」が公式会議の正式なセッションに盛り込まれた。

 ≪横浜、神戸に次ぐ世界会議≫

 会議には全国連加盟国193カ国の代表や国際NGOなど1万人を超す人が参加する。災害多発国としてハード、ソフト両面の豊富な知識を持つ日本は、今後の国際的な防災戦略を主導する立場にある。災害被害を少しでも減らすためにも会議では、要援護者を視野に置いた防災・減災害対策が打ち出される必要がある。

 外務省の資料によると、2000年から12年までに世界で発生した自然災害で29億人が被災し、120万人が死亡。損害額は1・7兆米ドル(約202兆円)に上り、被害の90%が途上国に集中した。

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