主張

駐韓米大使襲撃 価値観の共有妨げるのは

 駐韓米大使がソウル市内で暴漢に刃物で襲われ顔と手首を負傷した。

 男は米韓軍事演習への反対を叫んでいた。韓国では、シャーマン米国務次官の歴史問題に関する発言をめぐり、「日本寄りだ」として反米感情が高まりをみせていた。

 当然、警備は万全を期しておくべきだった。誤った「愛国無罪」的行動への対応の甘さが事件を誘発したとすれば、それは産経新聞の加藤達也前ソウル支局長がソウル中央地裁前で襲われた事件と同根である。

 朴槿恵大統領に関するコラムをめぐり名誉毀損(きそん)罪で公判中の加藤前支局長は、初公判の退廷後に車を暴漢に取り囲まれ、卵などを投げつけられた。警官や警備員らはこれをただ傍観した。監禁、脅迫、暴行、交通妨害容疑での立件も見送られた。