戦後70年〜大空襲(1)

なぜ米軍は東京大空襲を機に無差別爆撃に踏み切ったのか?

 ただ、無差別爆撃の責任をルメイ氏一人に押しつけるのは酷だろう。

 背景には、すでに日本陸海軍の組織的反撃は困難となり、米軍が日本本土上陸を想定するようになったことがある。無差別爆撃により日本の厭戦気分を高めるとともに、都市部を壊滅させることで速やかに占領しようと考えたようだ。根底には米陸海軍、そして陸軍から独立を企てる陸軍航空軍(後に空軍)の主導権争いもあったとされる。

 防衛大学校の源田孝教授(軍事史)は「当時ルメイ氏は少将にすぎない。爆撃は全てアーノルド大将の命令で実行された。ルメイ氏は組織人として上官の期待に忠実に応えただけだ。無差別爆撃への転換には『米兵の死傷者を少なくしたい』という米政府の思惑がからんでいた。日本への原爆投下の正当化と同じ論理が見てとれる」と語る。

 その証拠に米国は1943(昭和18)年、ユタ州の砂漠に日本の木造長屋を再現し、焼夷弾による燃焼実験を行っている。やはり無差別爆撃は「米国の意思」だったとみるべきだろう。

 「わが国政府並びに国民は、非武装市民への爆撃や低空からの機銃掃射、これら卑劣きわまる戦争行為を全力をもって糾弾する」