大阪市淀川区で昨年6月、当時生後4カ月の男児に体を伸ばすなどの施術をして死亡させたとして、大阪府警捜査1課は4日、業務上過失致死容疑で、子育て支援をうたうNPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」(本部・新潟県上越市)の理事長、姫川尚美容疑者(57)を逮捕した。
乳児の背筋を伸ばす施術
捜査関係者によると、姫川容疑者は昨年6月2日、大阪市淀川区に設けていたNPO事務所(閉鎖)で、男児の背筋を伸ばすなどの施術を行った際、危険性を認識していたにもかかわらず、注意を怠り、同8日夜、搬送先の病院で多臓器不全により死亡させた疑いが持たれている。
姫川容疑者をめぐっては、平成25年2月に施術をした新潟市の男児=当時(1)=が死亡する事件があり、新潟県警が業務上過失致死容疑で書類送検。しかし、新潟地検は同年12月、不起訴処分としていた。
だが、捜査関係者によると、姫川容疑者の周辺ではほかにも施術後に体調を崩すなどした乳児が数人いたという。
姫川容疑者は府警の任意の取り調べに対し、施術と男児の死亡に因果関係はないと主張していたという。
姫川容疑者は15年にNPOを設立。姫川裕里名義で活動することが多く、NPO主催の教室などで、リラックス効果があるとして、乳児の足の付け根を押すなどする「ズンズン運動」という独自の施術法を紹介していた。また、子育てに関する著書を出版するなどもしていた。