蘇我稲目(いなめ)の墓の可能性が高く、階段ピラミッド状の巨大方墳とされる奈良県明日香村の都塚(みやこづか)古墳(6世紀後半)で、新たに築造当初の階段状の墳丘のコーナー部分が見つかり1日、関西大と同村教委が発表した。古墳が階段ピラミッド状の方墳であることが、改めて裏付けられたとしている。
都塚古墳は、昨年8月の発掘調査で墳頂部に近い墳丘東斜面から石積みの階段状遺構が4段分(長さ約6メートル)見つかり、築造当初は階段ピラミッド状の巨大方墳(東西41メートル、南北42メートル、高さ7メートル以上)だったことが分かった。
関西大などがその後、遺構が見つかった場所の南側を発掘したところ、築造当初の墳丘の南東コーナー部分の階段状遺構が3段分確認された。
関西大の米田文孝教授(考古学)は「階段状構造については疑問を持つ考えもあったが、少なくとも墳丘上部は階段状をしていたことが裏付けられた。高句麗の積石塚(つみいしづか)などの影響を受けた可能性もある」としている。
遺構はすでに埋め戻され、現地説明会は行わないが、発掘調査成果の写真パネル展を23日~4月9日に村埋蔵文化財展示室で開催する。問い合わせは明日香村教委文化財課((電)0744・54・5600)。