戸田漕艇場で真珠採れた! イケチョウ貝で水質浄化 

 戸田市の戸田漕艇(そうてい)場で28日、水質浄化活動のため飼育しているイケチョウ貝から採取された真珠でアクセサリーを作る教室が、県ボート協会などによって開催された。漕艇場の関係者らは「海のない戸田で採れた真珠で、戸田の名を広めてほしい」と期待している。

 同漕艇場は昭和39年の東京五輪で整備された日本唯一の静水ボートコース。全日本選手権が開かれるなどボートの聖地として知られるが、五輪以降一度も水の入れ替えをしていない上、水の流れがないため浄化作用がなく、夏はアオコの大量発生に悩まされていた。

 練習に励む選手の服が緑色に変色するのを見た同協会理事長の和田卓さん(70)は「漕ぐと臭いもきつく、選手がかわいそうだった」と振り返る。

 水の入れ替えや濾過(ろか)装置には膨大な費用が必要。和田さんはイケチョウ貝に浄化作用があることを知り、「海のない埼玉で真珠が採れたら面白い」と、淡水真珠を養殖していた琵琶湖(滋賀県)などから貝を入手。平成18年に試験的に投入し、コース内でも貝が生息できることが分かった。

 その後、同市や埼玉大の協力を受け、約6千個の稚貝を投入。貝1個で1時間当り約300ミリリットルの水質浄化効果があるとされ、アオコも発生しなくなった。

 養殖される真珠は、海水真珠のように核を入れないため、天然パールのように芯まで真珠層になる。「あくまでも水質浄化が目的」(和田さん)のため、真珠は同漕艇場での大会優勝者の記念品や、年に1度のアクセサリー教室のためだけに採取している。

 教室では、実際にコース内の水を貝が浄化する様子を観察しながら、ピアスやキーホルダーを作成。貝を開き、中から15個ほどの真珠が現れると、参加者から「きれい」「大きい」と歓声が上がった。

 同市のパート、広瀬妙恵さん(35)は「1年半前に戸田に引っ越してきた記念になればと思い参加した。思ったより真珠が大きくて、友達に自慢できそう」と笑顔。和田さんは「市では初心者向けのボート教室も開催している。アクセサリーを通してボートに興味を持ってもらいたい」と話していた。(川峯千尋)

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