戦後70年の安倍晋三首相談話に関する政府の有識者会議「21世紀構想懇談会」で座長代理を務める北岡伸一国際大学長は27日、自民党本部で講演し、70年談話に過去の「植民地支配と侵略」へのおわびの文言を入れるよう求める意見があることに対し「片言隻句を取り上げて、ある言葉があるとかないとかで考えるのは非生産的だ。あまりに行きすぎた謝罪の追求は日本国内の反韓、反中意識を高め、和解を難しくする」と批判した。
講演は自民党「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」(委員長・中曽根弘文元外相)の会合で非公開で行われた。
出席者によると、北岡氏は、おわびの文言が盛り込まれた戦後50年の村山富市首相談話と、戦後60年の小泉純一郎首相談話を念頭に「70年談話でも、あるキーワードが入るかどうかという変な議論になっている」と述べた。
談話の作成については「政治的、外交的な意味を持つので、政治の責任でやる。有識者会議は談話の材料となる一定の考え方を示す」と語った。
北岡氏は昨年、朝日新聞の慰安婦報道を検証する第三者委員会の委員を務めた。朝日新聞などの報道姿勢に対し「政府を批判するだけで責任ある言論といえるのか」と疑問を投げかけた。
産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が韓国当局により長期にわたり出国禁止を強いられている問題に関しては「日本は『韓国の大きなミスだ』と世界に宣伝できる」と指摘した。