常勤医「ゼロ」困った… 不法滞在者収容の入国管理センター 救急に不安、医療費も高額化

 不法滞在の外国人を収容する全国3カ所の入国管理センターで、常勤医師が一人もいない事態になっていることが25日、入管当局への取材で分かった。いずれも非常勤医師が輪番で対応しているが、夜間帯の緊急対応の不備や外部医療機関の利用に伴う診療費の増加などが問題となっている。昨年3月には収容中の外国人2人が相次いで死亡しており、関係者から「医療態勢を充実すべきだ」という声があがっている。

 入国管理センターは現在、東日本(茨城県牛久市)▽西日本(大阪府茨木市)▽大村(長崎県大村市)-の3カ所で、常勤医師の定数は各1人。不法滞在の外国人が帰国するまでの間、施設内で健康管理や病気、けがの診療を行う。

 入管当局によると、東日本では平成24年3月、常勤医師が退職した後、後任が見つかっていない。大村でも25年4月から不在。唯一残っていた西日本でも昨年末に常勤医師が辞めたため、年明けから全国で「ゼロ」となった。

 いずれも、近隣の民間医療機関などの医師が輪番で勤務しているが、入管当局の幹部は「土日や夜間でも相談できる常勤医師がいないと困る。救急の場合など、外部医療機関への搬送が増える」とこぼす。外部へ搬送するには、逃走防止のため職員数人が交代制で付き添わなければならない上、健康保険が適用されず高額の医療費がかかってしまう。

 各センターでは、隣接の医師会へ呼びかけるなどして募集しているが、一向に集まらない。背景には、民間医療機関の医師と比較した給料の低さや最先端の医療から取り残される不安があるという。