阿比留瑠比の極言御免

台湾も怒る中国の歴史修正プロパガンダ 河野氏「右翼政治」発言がどれだけ利用されやすいか分からないか

 これほどあからさまな歴史修正主義国はあるまい。中国の王毅外相が23日、国連創設70年を記念する安全保障理事会の討論会で行った演説をみて、その余りに堂々とした事実の歪曲(わいきょく)ぶりにかえって感心した。

 王氏は名指しこそしないものの「過去の侵略の犯罪を糊塗(こと)しようとしている国がある」と日本を批判し、中国の歴史について次のように語ったのである。

 「戦後70年間、国連の創設メンバーで、安保理の常任理事国の中国は、常に国連憲章の精神に従い、国連の役割を支え、平和と安定を守ることに尽くしてきた。今日の開かれた討論会が、反ファシスト戦争勝利と国連創設70年の記念の序幕になることを望む」(25日付読売新聞朝刊)

 中国の言う反ファシスト戦争とは抗日戦争のことを指すが、これには台湾が異議申し立てをしている。

 「抗日戦争の主役は国民党が主導した『中華民国』の国軍だったという歴史に向き合うべきだ」

 台湾の国防部報道官はこうクギを刺している。また、立法院(国会)外交・国防委員会の有力者、林郁方氏は今月16日、産経新聞の取材に「共産党軍が戦ったのは後方と辺境のゲリラ戦だけだ」と指摘した。

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