文化大革命時代を想起
「教育相の発言は、毛沢東が発動し、混乱と暴力で、知識人の世代に傷跡を残した文化大革命時代の思想キャンペーンを想起させる」
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版、9日)は、中国の匿名の大学関係者の批判を紹介。西洋の思想が(体制維持にとって)潜在的な危険だとする考えに対し、「共産主義自体が西洋からの輸入品だ」と指摘する中国の知識人が特に不信感を抱いていると伝えた。
シンガポール紙ストレーツ・タイムズ(電子版、12日)が掲載した米大学教授の寄稿は、「中国の数千万人の学生は備えるべき知識や技術を習得できず、ましてや経済面での世界的競争力を高めることはできない」「中国政府が締め付けをすぐにやめない限り、習氏が掲げる『中国の夢』は、衰退と後退を加速させる悪夢へと変わってしまうだろう」と警告している。
意外なことに、中国共産党のメディアも異論を紹介した。党機関紙、人民日報のニュースサイト人民網は9日、文化大革命を念頭に、「極端に走って、知識分子に対して左が行ったような歴史の過ちを繰り返してはならない」とした天津の名門大学、南開大学の●(=龍の下に共)克学長(59)のコメントを掲載した。
指導層の子弟は欧米留学
だが、英BBC放送のウェブサイト(中国語版、10日)によれば、このコメントは新華網など他の主要ニュースサイトに一時転載された後、ほどなくして削除されたという。当局の指導があったのか、自主規制だったのかは不明だが、メディア規制の一端をうかがわせた。