生活の知恵

「間違った重ね着」は体を冷やす…肌着、ダウン「特性」を知って冬を乗り切るには 

 ところが、大手ブランド「ユニクロ」の調査によると、実はそういう着方をしていない人が多くいる実態が明らかになった。同社が昨年12月、全国の15~79歳の男女600人を対象に行ったアンケートによると、約75%が肌着の重ね着をした経験があると答えた。このうち、綿製の肌着と機能性肌着のいずれか、あるいは両方を重ね着している人のうち、54%が1枚目に綿製の肌着、2枚目に機能性インナーを着ていると回答したという。

 「実際に若い人でも肌着は綿、というイメージは強い」とあんどうさん。だが綿は汗などを保水するので、気化熱で体温を奪いやすい素材。「アウトドアでは汗などの水分をコントロールしないと、特に冬山など命取りになる場合もある」と指摘する。

■ダウン着るなら薄着の上に

 寒さ対策には、暖かい空気をうまく体の近くでためることも重要だ。

 空気をためてくれるのに重宝するのが、ダウンのコートやジャケットなど、羽毛を使った衣類。最近は「インナーダウン」として、中間着としてダウンを着る人も増えている。

 「鳥は自分の体温で羽毛内の空気を暖め、寒さを防いでいる。人間も、なるべく熱源である肌に近いところでダウンを着るのは理にかなっている」という。

 その際、機能性肌着を着ていれば、吸汗などによる発熱もあるため、効率的に暖かさをためることができる。

 逆にダウンの下に厚手のセーターなどを着込んでも「熱源が遠ざかるため、羽毛が膨らまず、暖かい空気をためにくくなる」。見た目にモコモコするだけでなく、寒さ対策の面からも、上手な重ね着ではない。

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