LRT専用ICカード、路線バスと「相互利用」 宇都宮市方針、乗り継ぎ円滑化

 宇都宮市が、LRT(次世代型路面電車)事業でバスなどの公共交通と相互に使える専用ICカードを導入する方針を固めたことが19日、分かった。運行を担う営業主体は県内外の4事業者が事業参画に関心を示し、東急電鉄(東京都渋谷区)を含む5事業者が技術協力に応じる姿勢を示している。

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 同日開かれたLRT事業に関する市議への説明会で市は、LRTと路線バスの乗り継ぎ円滑化や乗降時間短縮を目的に、LRTとバスの両方で使えるICカードの導入を検討していることを明らかにした。

 初期費用に約10億円、年間維持費に約2500万円かかると試算。観光客らに配慮し、LRTの運賃支払いにJR東日本のIC乗車券「Suica(スイカ)」などが利用できるようにする予定という。

 また、昨年11月~今年1月、民間の軌道事業者などにLRT事業への参画意向を調査した結果、県内外の4事業者から関心が寄せられ、運転士養成などの技術協力では、東急電鉄や富山地方鉄道(富山市)、京福電気鉄道(京都市)、岡山電気軌道(岡山市)、広島電鉄(広島市)の5事業者が「協力可能」と回答したとしている。

 具体的な内容について協議、調整を進めており、今年度中としていた運行主体などの決定については、新年度に持ち越しとなる見通し。このほか、優先整備するJR宇都宮駅東側区間と西側区間をつなぐ際、軌道を高架にして駅舎の北側か南側を迂回(うかい)するか、駅舎内を通過する5ルートを想定していることも示された。

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