防衛最前線

(16)C130H輸送機 非常事態で役に立つ「怪力の神」

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に邦人2人が殺害されたとみられる事件を受け、自衛隊による邦人保護のあり方が改めて注目を集めている。こうした中、航空自衛隊のC130H輸送機が邦人保護訓練を行うため、タイに派遣される。

 C130が参加するのは、米軍とタイ軍が主催し、日韓など計9カ国が参加して9日から始まった東南アジア最大級の多国間軍事演習「コブラゴールド」だ。15日の訓練では、ある国で震度7の大地震が発生したと想定。陸上自衛隊誘導輸送隊がバンコク近郊のパタヤスタジアムに集まった在外邦人を約30キロ離れたウタパオ海軍航空基地まで陸上輸送し、同基地で待ち構えるC130が邦人を乗せて飛び立つ。

 C130の愛称は「ハーキュリーズ」。怪力を誇るギリシャ神話の英雄・ヘラクレスを英語で発音するとハーキュリーズとなる。その名の通り、C130の最大積載量は約20トンで、約8トンしか運べない国産輸送機C1の倍を上回る力持ちである。航続距離も約4000キロ(5.0トン搭載時)で、約1700キロ(2.6トン搭載時)のC1を大きく引き離す。

 自衛隊が平成20年12月まで参加したイラクの人道復興支援では、クウェートを拠点にイラク首都のバグダッドなどに国連や多国籍軍の人員・物資を輸送する活動に従事した。ロケット弾が飛び交う過酷な状況下で、輸送実績は821回、輸送物資は約670トンに上った。

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