関西の議論

まるで出来レース? 公明「方針大転換」 維新と密約、官邸の思惑…都構想と憲法改正で裏取引あったのか

 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が掲げる大阪都構想が「風前のともしび」から一転、是非を問う住民投票実施に賛成するという公明党の翻意によって大きな進展をみせた。大阪府市両議会の2月定例会での議決が必要だが、可決は既定路線で、5月17日の住民投票実施までレールが敷かれた格好だ。公明は反維新の急先鋒(せんぽう)で都構想自体には反対姿勢を示しているだけに、矛盾するような住民投票容認の背景には、昨年末の衆院選の候補者擁立をめぐる維新との「密約」がある-といううわさがささやかれる。憲法改正に慎重姿勢を示す公明を牽制(けんせい)するため、都構想に理解を示すことで維新をつなぎ留めようとする安倍晋三政権の思惑も見え隠れする。支持者離れさえ招きかねないリスクを負ってまで方針転換に踏み切った公明の〝本音〟はどこにあるのか。(大宮健司)

トップダウンで決定

 「どうなっているんだ! 昨日までと全く話が違うじゃないか!!」

 昨年12月に行われた衆院選。維新の党が比例で府内トップの114万票を獲得した投開票日から10日あまりたった12月26日、「公明が都構想の住民投票実施に協力する方針」と報じられ、公明の府議、市議たちは大混乱に陥った。

 都構想をめぐる方針転換は、維新を敵に回したまま4月の統一地方選を迎えることに難色を示した支持母体・創価学会の意向を受け、東京の党本部が決定。当事者である大阪府本部の主張は一切聞き入れられず、ごく一部の幹部以外は、方針転換が検討されていることさえ全く知らされていなかった。

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