長野市は平成27年度当初予算に計上する人口減少対策関連の主な事業を発表した。人口減少は全国の多くの地方自治体の課題となっているが、同市は将来的に発展していくには人口減少に歯止めをかける必要があるとして、対策に全力を挙げる方針だ。
人口の自然減を食い止めるための少子化対策では、第3子以降にかかる保育所や幼稚園などの保育料の軽減を図る事業に1億1940万円、妊婦歯科検診費用を公費負担する事業に807万円、妊娠・出産から子育てに関する情報をメールで配信する事業に266万円を盛り込んだ。
社会減対策では移住・定住促進策として、人口減少や少子高齢化が著しい中山間地の振興を図るため、希望者に空き家を紹介したり、移住・定住者向けの専門相談員を設置したりする事業に1033万円、市内の個人宅や宿泊施設などで3~7日ほど過ごしながら農業などを体験できる短期移住体験事業に209万円、善光寺御開帳の期間中に田舎暮らしの情報提供や相談に乗る「移職住フェア」の開催に740万円を計上した。健康寿命対策では糖尿病予防のための指導を行う保健師の拡充に679万円、雇用創出策では穀物の一種「ソルガム」を利用したバイオマス産業の育成などを行いながら国による「バイオマス産業都市」の認定を目指す事業に621万円を充てることにした。
同市は昨年10月、加藤久雄市長を長とする人口減少対策本部を設置。市の部局長をメンバーとし、自然減については「少子化対策」と「健康寿命延伸」、社会減については「働く場の確保」と「移住・定住促進」の計4つの専門部会を設け、具体的な事業を検討してきた。