よみがえる「芦屋のひまわり」 武者小路実篤記念館で写真複製展示 東京

 昭和20年8月の兵庫県芦屋市への空襲で焼失したことから「芦屋のひまわり」とも呼ばれるゴッホの幻の作品「ひまわり」が、縦98センチ×横69センチの原寸大の写真複製でよみがえり、調布市の武者小路実篤記念館(同市若葉町)で展示されている。

 実篤は明治43(1910)年に創刊した文芸誌「白樺」で、日本では知られていなかったロダン、ゴッホ、セザンヌなどの西洋美術を紹介。これらを展示する美術館の設立運動も提唱した。

 運動に賛同した神戸の実業家、山本顧弥太が大正9年に2万円(現在の約2億円)の私費を投じて購入したのがこの「ひまわり」。当初は美術館を建設して公開する計画だったが、計画は実現せず、山本は芦屋市の自宅で保管していた。

 ゴッホは多数の「ひまわり」を描いたことが知られているが、同記念館によると、複製されたのは1888、89年に描かれた7点のうち2番目のもの。深い青の背景に黄色い花がくっきりと浮かび上がっている。

 個人所蔵だったため世に出た図版はほぼすべてがモノクロだったが、同記念館は数少ないカラー版を所蔵しており、複製することができた。実篤の詩「バン・ゴッホよ」の書(複製)、ゴッホ作品がやってきた感激を伝える手紙、山本と実篤が「ひまわり」の前で撮影した写真などとともに、3月1日まで展示する。

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