主張

与那国の住民投票 国の守りは委ねられない

 軍の部隊をどこに、どれだけ配備するかは安全保障上の政策そのものだ。国民の安全と平和を守る政府が、責任を持って判断する。

 日本最西端の島、沖縄県与那国町で、陸上自衛隊の「沿岸監視隊」配備の是非を問うための住民投票が今月22日に行われようとしている。しかも投票資格は永住外国人を含む中学生以上の住民に与えるという。

 南西防衛の強化は、中国の軍事拡張から領土・主権を守る上で緊急課題となっているのに、その取り組みが阻害されかねない。この住民投票は極めて不適切だ。

 住民投票は町議会が制定した条例に基づく。投票結果に法的拘束力はないが、反対多数となればさまざまな悪影響が予想される。

 陸自は与那国島に、付近の艦船や航空機を見張る第303沿岸監視隊を平成27年度末までに配備する計画だ。27年度予算案には駐屯地用地の取得費が含まれる。

 与那国は国境の島であり、防衛上の要衝だ。2千メートル級の空港を有し、台湾まで約110キロ、尖閣諸島まで約150キロに位置し、陸自を配備すること自体が、侵略を防ぐ抑止力となる。

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