世界無形文化遺産登録記念し奈良国立博物館で「和紙」特別展

 昨年11月に、日本の手漉(てす)き和紙技術がユネスコ世界無形文化遺産に登録されたのを記念し、奈良市の奈良国立博物館西新館で特別展示「和紙-文化財を支える日本の紙-」が行われている。3月15日まで。

 和紙は古くから文書や写経などに用いられ、文化財の修理材料としても不可欠。掛軸(かけじく)の補強のため裏面に和紙を裏打ちしたり、絵画や書物の欠損部分を似た和紙で繕うなど、さまざまな活用方法がある。

 展示は、和紙の製作▽和紙と文化財修理▽料紙としての和紙-の3つのテーマで構成。代表的な原料「楮(こうぞ)」の樹皮や、製作で使う竹製の簀桁(すげた)、県内で伝統的に製造されてきた吉野和紙(美栖紙(みすがみ)・宇陀紙(うだがみ)・漆濾紙(うるしこしがみ))など約30件をパネルとともに展示している。

 和紙に直接触れられるコーナーもあり、同館の湯山賢一館長は「地場産業として根付く吉野の紙を広く知ってもらう機会になれば」としている。

 開館は午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)。2月2、16、23日休館。一般520円、大学生260円、高校生以下は無料。問い合わせは同館(電)050・5542・8600。

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