永田町血風録

総務会長「二階俊博」は味方か敵か 農協改革骨抜き狙い、訪韓・訪中の思惑

衆院選で首相後押し

 「解散風が吹いているのは間違いない」「風はもう止まらない」「自民党が圧勝できる態勢をつくる」

 二階氏は昨年末、首相がまだ衆院解散を明言していない段階から威勢のよい発言を繰り返して解散風をあおり、国内世論の地ならしを進めていった。一方で、自派閥の候補者を選挙区や比例名簿で公認させる根回しを開始していた。

 首相が昨年の衆院選を決断したのは、11月初めとされる。当時の党役員会で二階氏は、谷垣氏に「衆院解散の話はどうなっているんだ」と迫った。出席者の一人が振り返る。

 「谷垣氏はのらりくらりとかわしていたけど、彼は思っていることが顔に出る。あれでみんな、年内解散を確信した」

 一方で、自民党ベテラン議員は「二階派は選挙に強くない議員が多い。勝てるタイミングを探り、首相と一致したのだろう」と冷ややかに語った。

仕事師

 2月には一般人約1000人と韓国を訪れるほか、4月にも中国を訪問する方向だ。親韓と親中といわれる二階氏。自らと関係が深い国と独自の議員外交を展開する。冷え込んでいる関係改善が狙いだ。

 二階氏は安倍首相とは外交・安全保障などの政策では距離がある一方で、役職に忠実な仕事師としても知られている。首相を揺るがす存在になるのか、経験豊富な軍師となるのか。本人は、周囲をこうけむに巻いた。

 「首相はひとつ化けた。偉いもんだよ」

(政治部 沢田大典)

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