産経抄

オイコノミコス 1月28日

 エコノミクス(経済学)の語源は、ギリシャ語のオイコノミコスである。「家」を意味する「オイコス」と「慣習、法」を意味する「ノモス」の合成に由来する。日本語では、「家政」という言葉が近い。家政の延長に国の財政や金融の政策がある。

 ▼古代ギリシャの歴史家、クセノフォンが著した『オイコノミコス』は、師のソクラテスとクリトブロスなる人物の対話で始まる。家政とは何か。ソクラテスの問いに対して、クリトブロスが答える。

 ▼「良い家政家であるということは、自分自身の家財をきちんと管理できるということだと思います」(越前谷悦子訳、リーベル出版)。クセノフォンやソクラテスの末裔(まつえい)たちは残念ながら、「良い家政家である」ことをあきらめたようだ。

 ▼長年の放漫財政によって債務危機に陥ったギリシャは、欧州連合(EU)などから巨額の資金支援を受けている。ただし条件として、年金減額や増税、公務員のリストラなどを求められてきた。今回の総選挙では、そんな緊縮財政に反対する、最大野党の急進左派連合が勝利した。

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