いばらき女子力研究所

「パブリッシングポケット」代表・清水恭子さん

 ■我慢しない働き方提示したい

 コンサルタントや治療院などのニュースレターの発行・発送代行事業を手がける「パブリッシングポケット」の代表。顧客からも信頼の厚い女性経営者の職場は、窓から心地よい木漏れ日の差し込む自宅のリビングだ。

 大学卒業後、一度、一般企業に就職した後、母校の大学に戻って受験生向けの広報紙の作成に携わり、卒業生のインタビューなどに取り組んだ経験が、今の仕事につながる。「専門用語や難しい表現を別の言葉に置き換えて、伝わる文章にする過程が楽しい」。気難しい相手にもひるまず質問し、信頼されたと感じる「雪解け」の瞬間にやりがいを感じた。

 結婚後、第1子の出産を機に転職を決意。「子供と過ごす時間がなく、母親として情けなくなった」。そんなとき、知人の紹介で行った経営者向けのセミナーがきっかけで、自宅での起業を思いついた。

 ニュースレターを書くための取材には、メールやネット電話「スカイプ」を使うのが清水流。相手の性格や要望に合わせて、雑談や時事ニュースなどからテーマを決め、聞き出した内容を愛用のスケッチブックに書き込んでいく。あらかじめ質問は用意しない、録音もしない。それが、「相手の伝えたいこと」を引き出すコツだ。

 子供の体調や成長に合わせて、仕事と子育ての配分を変えられる。そんな生活を楽しみながら、「固定客を現在の10倍に増やすのが今年の目標」と経営者としてのステップアップももくろむ。ゆくゆくは、「起業の実例を紹介する電子書籍を出版したい。女性が我慢しなくても働ける、新たな選択肢を提示できたら」。(緒方優子)

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【プロフィル】清水恭子

 しみず・きょうこ 昭和55年生まれ、34歳。取手市出身。日大文理学部卒。大学職員時代に広報に携わった経験から、平成24年5月に自宅で「パブリッシングポケット」を設立、26年10月に法人化。会社員の夫、5歳と1歳の双子の3男の5人家族。

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 ◆ミシン「魔法のような存在」

 リビングの片隅にしのばせている愛用のミシン。「不器用な私でも、それなりのものが作れる魔法のような存在。それでも、たまに失敗するんですけどね」と照れたように笑う。

 子供たちが寝静まった後、保育園で使う巾着やバッグをせっせと縫い上げる。「朝起きて、出来上がったものを見たらどんな顔をするかな」「今度はこの生地を使おうかな」

 子供たちの喜ぶ顔を思い浮かべながら人知れず作業するひとときが、「至福の時間」。母親として、経営者として、英気を養う秘密の「サプリ」だ。

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