「公共放送」から「公共メディア」への進化を見据えた、平成27~29年度のNHK経営計画がまとまった。2020(平成32)年東京五輪・パラリンピックで「世界最高水準の放送・サービス」を実現するとして、次世代放送やインターネットサービス、国際発信の強化などを重点目標に設定。同計画のポイントと課題を整理する。
「まだスタートラインに立ったばかり。私が先頭に立って職員一人一人と力を合わせ、新しい挑戦と改革に取り組んでいく」。籾井勝人(もみい・かつと)会長は15日の会見で、こう決意を語った。
計画では、番組をテレビ放送と同時にネットでも配信することについて、「課題解決を図り、取り組みを推進」すると明記。テレビ、ラジオに加え、ネットも含めた業務拡大を宣言した。
ただ、現在の放送法や受信料制度はテレビの設置を前提にしており、国も巻き込んだ制度の見直しが課題だ。計画では、受信料制度のあり方の「研究」を進める方針を打ち出し、浜田健一郎経営委員長は新たな受信料制度について、「平成32年までの国民的な合意形成」を目指すよう求めた。