上野動物園で相次ぐ大型動物の死 「ありがとう」別れ告げる来園者

 上野動物園(台東区)で、このところ大型動物の死が相次いだ。長年、人気を集めてきた動物たちだけに、別れを告げに訪れる来園者たちの姿も見られた。

 9日に死んだのは、スマトラトラの「トップ」(雄、17歳4カ月)。平成9年に同園で3つ子の一頭として生まれ、当時はじゃれ合う姿が人気を集めた。

 繁殖を目指し、14年によこはま動物園ズーラシア(横浜市)に貸し出されたが成功せず、23年に上野に戻った。

 昨年12月22日から餌を食べなくなり、投薬治療をしていたという。死因は腫瘍による多臓器不全だった。飼育下の寿命は20年ほどという。

 トラ舎の前には16日まで献花台が設置され、手を合わせる人の姿が見られた。花束の中には「雄々しい姿を忘れません」「長い間ありがとう。天国で安らかに」などとのメッセージも添えられていた。

 7日朝にはキリンの「コハル」(雌、17歳6カ月)が死んでいるのが見つかった。前日まで全く変わった様子はなかったという。解剖の結果は心不全で、詳しいことは分からなかった。

 米国の動物園で生まれ、11年に多摩動物公園から来園。23年から雄と同居し、繁殖を目指していた。

 昨年11月にはホッキョクグマの「ユキオ」(雄、26歳11カ月)が天国へ旅立っている。国内で飼育中のホッキョクグマでは最高齢。イベントなどでシャケを食べたり、遊具で遊ぶ姿が人気だった。

 ドイツの動物園で生まれ、池田動物園(岡山市)で飼育され、12年に上野に来園。24年に死んだ「レイコ」と仲良く暮らしたが、繁殖にはいたらず、雌の「デア」との間で繁殖を試みる予定だった。

 相次ぐ人気動物の死に、同園教育普及課では、「死因はそれぞれで異なり、関連はない。寒さなど季節的な要因でもないだろう」という。

 同園で飼育するホッキョクグマ、キリンはそれぞれ1頭、スマトラトラは3頭になった。当面、これらの動物が新たに来園する計画は今のところない。

 同課では「悲しみもあるが、ほかの動物やこれから新たに来る動物の飼育につなげていきたい」と、悼んでいる。

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