また、「幸福論の世界では、女性の幸福度が男性より高いのは常識」だそうだ。
さらに、会社員・会社役員の女性が、専門職や自営業の女性と比べて幸福度が低いのは、人事異動などで「仕事の範囲が決まっていない会社員の仕事は、やはり子育てとの両立が難しいのでは」と推測。今後の地域振興については、「創造性を発揮できる手仕事や、コミュニティービジネスなど、地域のつながりを感じられる女性のための創業支援がカギになる」と提言する。
男性にしぼった調査結果では、会社員と自営業、公務員、専門職で幸福度に違いはなかったという。女性は、結婚、出産だけでなく職業によっても幸福度が変わる傾向が強いようだ。
女性の幸福度と“出生率”の深い関係
気になる都道府県別ランキング(男女総合)では、トップ3は沖縄(834)、鹿児島(738)、熊本(730)の3県。ワースト3は、群馬(576)、福島(583)、新潟(592)の3県。女性に絞った今回のランキングでも、トップ3は同じ。しかし、ワースト3には、群馬、香川、福島の3県が入った。
全体的には西高東低の傾向で、一生の間に女性が生む子供の数「合計特殊出生率」の都道府県別結果と相関性が深かった。
筧さんは「女性の声というと、世間的にはどうしても都会のキャリア志向の人の声が大きく聞こえがちですが、大都市で大企業に勤めてキャリアを追求する人は日本全体で見るとマイノリティー。自治体が、若い世代の定住や移住を促進するためには『若い女性が少ない地域』『若い女性はいるけど結婚しない地域』『結婚はするけど子供の数が少ない地域』の3種類別に、それぞれが対策を作る必要がある」とアドバイスする。