経済インサイド

このままではアジア太平洋は中国の影響下に置かれる…日米もたつく間に「中国版アジア開発銀行」がインフラ投資で支配力

 参加表明済みの24カ国には中国と南シナ海で領有権をめぐる争いがあるベトナムやフィリピンも含まれている。またウズベキスタン、クウェート、パキスタンの参加で地域的な広がりも出ているうえ、インドやインドネシアといった地域の大国も加わった。

 途上国がこぞってAIIBになびく背景には、日米主導の体制が途上国のニーズに応えられていないという事情もある。なかでも現在の体制の官僚主義的な手続きの多さの結果として、融資決定のスピードが遅くなりがちな問題への不満は大きい。これに対して中国の意思決定の迅速さには定評があり、途上国での勤務経験がある国際金融関係者は「われわれが移動中に道路の状態の悪さに気付いて『整備せねばならないね』と話した翌日には、中国政府の支援で工事が始まっていることがあったぐらいだ」と明かす。

 気候変動問題への対応でも米国などと途上国の間では意見の相違がある。

 オバマ政権は13年6月の気候変動対策に関する行動計画で、海外での石炭火力発電所建設への支援を原則として止める方針を表明。世界銀行も未開発地域での石炭火力発電所建設への支援は「まれなケースのみ」とするなど、支援の際に環境への配慮を重視すると表明している。

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