宇都宮のLRT計画、事業費450億円超に 西は大谷、東は芳賀へ延伸構想も

 宇都宮市などが導入に向けて準備を進めているLRT(次世代型路面電車)事業について、市民と意見交換する今年度の「オープンハウス」が13日、市役所で始まった。事業の骨格がほぼ固まる一方、事業費は当初予定より大幅に増え、450億円を超える可能性が高まっている。(原川真太郎)

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 市によると、現在までに決まっている全体計画区間は、桜通り十文字付近-芳賀・高根沢工業団地付近の約18キロ。このうち、平成31年度までの開業を目指す優先整備区間のJR宇都宮駅東側区間(約15キロ)は所要41分。快速運行が認められれば最短31分で、新幹線の始発から終電まで乗り継げるダイヤを想定している。

 LRTと自動車、バスとの乗り継ぎができるトランジットセンター(中継施設)も整備する方針。これまでに駅東口や大規模商業施設、工業団地の近くなど5カ所程度が候補に挙がっている。

 将来的な延伸の可能性も浮上。佐藤栄一市長は昨年12月の市議会で、32年度までに完成見込みの東北自動車道大谷スマートインターチェンジとの結節点まで、LRTを延伸させる可能性について言及した。地元の経済団体からは、西側区間の整備に合わせて東武宇都宮駅への接続や相互乗り入れを求める声も出ている。

 東側区間でも「路線を分岐させ、芳賀町役場付近まで延伸させるべきだ」との意見が地元を中心に挙がっている。

 ただ、事業規模の拡大に伴い、見込まれる整備費用も増大する。試算によると、宇都宮市、芳賀町分を合わせた東側区間の総事業費は約450億円。現在、より詳細な需要予測調査が行われているが、車両を増やす必要が出てくれば、さらに膨らむのは必至だ。

 今後、焦点となるのは運行主体の確保。市などは現在、複数の軌道事業者に聞き取り調査をするなどして最終調整を進めている。

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 オープンハウスは3月16日までの延べ36日間、市内の各地区センターや大型商業施設で実施。市役所では16日まで、1階サブホールで午前9時半~午後4時。問い合わせは市LRT整備推進室(電)028・632・2304、2305。

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