主張

佐賀県知事選 農協改革の後退許されぬ

 保守の分裂選挙となった佐賀県知事選で、安倍晋三政権の農協改革に反発する地元JAの後押しを受けた無所属新人が当選した。

 政権にとって昨年の滋賀、沖縄両県知事選と同様の手痛い敗北である。4月の統一地方選をにらんで農協改革が停滞する懸念が強まっている。

 そんな事態を許していいのか。衆院選での与党大勝で、アベノミクスの継続に国民から信任を受けた。一部の地方選敗北に動揺し、改革を後退させることは断じて許されない。

 岩盤規制の象徴である農業を抜本的に見直せるかどうかは、首相が目指す「強い経済」を実現するための試金石でもあるはずだ。

 当選した山口祥義(よしのり)氏は早速、農協改革について「地方でしっかり話し合った上で進めるべきだ」と語り、政権側を牽制(けんせい)した。

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