防衛最前線

(11)護衛艦「いせ」 伊勢神宮のお札まつり、シーレーン安全確保図る統合任務の中核艦

 新年に首相が参拝する伊勢神宮のお札を艦内神社にまつる自衛艦がある。海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いせ」だ。その名にちなみ、艦名板も伊勢神宮の大宮司が揮毫(きごう)した。ある同艦乗組員は「名前が名前だから、やはり縁を感じる。時間が空けばなるべく伊勢神宮に参拝するようにしている」と語る。

 全長197メートル、全幅33メートル。艦首から艦尾まで障害物のない全通甲板が特徴で、ヘリ4機を同時に離着艦させ、ヘリ8機を格納することもできる。長々と続く廊下、広々とした食堂、ゆったりと確保された会議スペースを有し、さながら巨大ホテルのようである。艦橋から景色を見晴らせば、観光地の展望台にいるような錯覚に陥る。

 もちろん、いせの役割はそんなのどかなものではない。海自有数の対空・対潜水艦戦闘能力を誇り、日本周辺海域の防衛や海上交通路(シーレーン)の安全確保を図る。大規模災害時の救援活動も重要な務めだ。陸上自衛隊の人員やヘリの輸送も可能なため、複数の軍種を一体的に運用する統合運用では、中核的な役割を担う。

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