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チベット観光をディズニーランド化する中国政府…漢人観光客が上から目線でやりたい放題 仏像や神聖物にまたがり、寺院で大騒ぎ

 中国政府はチベットを「精神的な癒やしの地」として宣伝。だが、そこには「国民にチベット人の心や文化を理解、尊重させる努力は見られない」とし、「中国政府はチベット人が漢人に劣る原始的な民族と人々に刷り込んでいる」とチベット・ウオッチは指摘する。漢人の心理のウラには、上から目線の優越意識がある。

漢人の、漢人による、漢人のためのチベット・テーマパーク化

 「チベットのディズニーランド化」。異質の伝統や風習を極端にデフォルメし、大衆受けするエンターテインメントにしてしまう…。チベットを蝕(むしば)む観光開発の実情を書いた米ワシントンマンスリー誌の表現は言い得て妙だ。

 同誌によると、輪廻(りんね)転生を象徴するチベット仏教の鳥葬が、わずか5ドルで中国人旅行者の見せ物になっている。ツアーの旗をはためかせた四輪駆動車で乗り付け、大騒ぎしながら、デジカメやスマホで一部始終を撮影するのだ。寺院などの祈りの場でも大声で携帯電話で会話したり、巡礼者の流れに逆らうように歩いたりとやりたい放題。

 チベット・ウオッチの報告書には「蔵漂」という造語もある。チベットが気に入った「流れ者」のことだ。彼らはラサの中心的寺院・ジョカン寺周辺にたむろし、信仰心厚い巡礼者の祈りの邪魔をしているという。実際、チベットツアーを扱う大阪の旅行業者は「バックパッカーの若者たちを中心にものすごく中国人旅行者が増えているのは確かだ」と話す。

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