企業秘密は国を挙げて守れ…特許庁が警察庁、経産省所管機関と連携して産業スパイ、サイバー攻撃対策

 産業スパイやサイバー攻撃による情報流出が企業の社会問題になるなか、特許庁が平成27年2月、初めて警察庁と経済産業省の所管機関と連携して企業の営業秘密(ノウハウ)を保護する体制を整備することが、分かった。被害情報を警察当局と共有して迅速な捜査着手につなげ、サイバー攻撃の疑いが浮上すればネットワーク技術を持つ専門家、ホワイトハッカーを派遣する。政府機関が営業秘密データを暗号化して保管する「金庫番」制度づくりにも乗り出し、競争力の源泉となる知財を国を挙げて守る仕組みを構築する。

 特許庁が、警察庁や経済産業省所管でサイバー対策の調査などを手掛ける独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」と連携。各都道府県に駆け込み寺の位置付けの窓口計57カ所を開設し、2月2日に受け付けを開始。知財問題に詳しい企業OBや弁護士が企業の営業秘密の流出などの相談に無料で応じる。

 元社員が高額報酬や好待遇などの見返りに故意に情報を流出させたケースやサイバー事件と疑われる相談は緊急事案と判断され、特許庁の専門機関を通して警察庁やIPAに情報提供する。さらにIPAは約20人のホワイトハッカーが所属する「レスキュー隊」を対象企業に派遣し、サイバー攻撃に襲われているかを検証。攻撃が判明すれば被害を調査し、警察への通報、原因究明や被害の拡散を防ぐ対策を助言する。

 また、政府が営業秘密を管理する「金庫番」の仕組みづくりにも乗り出す。特許庁は数年後には政府の公的機関に委託し、企業の製造ノウハウを中心とした営業秘密の開発時期と内容を暗号化したデータの保管を開始する予定だ。

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