日本の議論

「除雪」から「利雪」へ 雪で酒熟成、桜開花調整の最先端…全国に140カ所、雪かきコストも減少

来年のさっぽろ雪まつりの用意がすでに始まった札幌市の大通公園
「除雪」から「利雪」へ 雪で酒熟成、桜開花調整の“最先端”…全国に140カ所、雪かきコストも減少
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気象庁の3カ月予報によると、今年の北日本の冬の雪は「ほぼ平年並み」だという。札幌でも雪が降り続いている。北国にとって、雪はやっかいものだ。

そのやっかいものの雪を利用して始まった「さっぽろ雪まつり」のように、観光資源として大成功している例はあるが、やはり雪は嫌われもので、毎日の雪かきは大変な労力だ。

札幌市内の除雪費用は1晩で1億2000万円かかっている。まさにどぶに捨てるように毎年、莫大(ばくだい)な税金が除雪・排雪に使われている。

この雪をなんとか有効に活用しようという試みが全国で行われている。北海道内でも、雪を使った野菜や穀類の低温貯蔵が検討されている。

低温貯蔵は、米をはじめ、ジャガイモ、ナガイモ、ニンジン、トマト、トウモロコシなどの農産物を適度な湿度で乾燥状態を防ぎながら保存するもの。雪による低温貯蔵では新鮮さを維持するだけでなく、ビタミンCの含有量を保持したり、ナガイモでは増加させるという実験結果も出た。さらには味もよくなると実証され、付加価値を生んでいる。

そうした雪を利用した施設は、全国に140カ所あり、北海道には65カ所が集中している。

雪を利用して平成9年から酒を作り、商品化しているのが、旭川市の高砂酒造だ。醸造した酒をタンクごと屋外で雪に埋めて、低温熟成させる雪中貯蔵を行っている。タンク中は0度前後となり、熟成環境を安定させることができ、おいしい酒になるという。

雪を貯蔵しておいて、夏の冷房に利用する試みもあるが、NPO法人「雪氷環境プロジェクト」では、雪の冷気を活用するさまざまな提案を行っている。

今は2020年の東京オリンピックに向けて、雪氷冷熱エネルギーで生産、加工、貯蔵された食材や花の利用や、冷蔵・冷房の利用などの提案を行っている。

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