愛媛・少彦名神社参籠殿の修復に助成金 米ワールド・モニュメント財団

 米ニューヨークを本部とするワールド・モニュメント財団(WMF)は、愛媛県大洲市の「懸け造り」様式の建造物「少彦名(すくなひこな)神社参籠殿(さんろうでん)」の修復に助成金を拠出することを決め、同神社で伝達式が開かれた。

 「懸け造り」は、山の斜面を利用し、空中楼閣のように張り出す建築様式。京都市の清水寺・本堂舞台で知られており、貴重な文化遺産として評価が高い。

 参籠殿は老朽化が進んだため、地元ボランティアらでつくる実行委員会が修復保存に取り組んでいた。昨年2月にWMFの「危機遺産」に選定され、寄付を募り、本格的な修復工事に着手。工事は最終段階を迎えている。

 歴史的建造物などの文化遺産の保護・保存活動を行っているWMFは「日本における優先プロジェクト」に東日本大震災で被災した文化財と「参籠殿」を選定。同建物の修復実行委に16万5千ドル(約1900万円)の助成を決めた。

 式では、同財団の稲垣光彦日本代表が「300人以上が修復を手伝い、支援の輪が広がったことが助成につながった」と背景を説明。「地域社会の継続的発展」を期待した。

 実行委の清水英範委員長は「『仏(参籠殿)作って魂入れず』にならないよう地域創生の場としたい」とお礼を述べた。

 参籠殿は昭和7年建立。現存する懸け造り建築のほとんどは明治以前の伝統建築で、近代建築は希少という。県内では、大洲市の臥龍山荘不老庵、如法寺毘沙門堂の計3カ所が確認されている。