正論

「地球安保」強化する宇宙開発を 三菱総合研究所理事長・小宮山宏

 本年9月に開催された宇宙開発戦略本部での首相指示を踏まえ、首相への諮問機関である宇宙政策委員会において、宇宙基本計画の改定作業が進められている。11月には内閣府宇宙戦略室により、新「宇宙基本計画」とその工程表の素案が公表された。

 今後10年間で45機程度の衛星などの打ち上げが盛り込まれている。公表された素案への国民からの意見募集を踏まえ、近く新たな基本計画が制定される見通しだ。

 ≪地球環境を宇宙から監視≫

 地球温暖化問題をはじめとした地球規模問題の解決は人類喫緊の課題である。宇宙基本計画には「地球の安全保障」という概念を取り入れるべきだろう。

 ここで「地球の安全保障」とは、地球が晒(さら)されている脅威に対して必要な対策を講じ、人類の生存基盤である地球そのものの安全を保障するものである。巨大化した人間の活動は、二酸化炭素の大気中濃度を上昇させ、窒素肥料の合成量が自然界の空中窒素の固定量を超えるなど、地球の基本的条件に影響を与え始めている。その結果、安全保障の主体は国家から地球へと拡大したのである。

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