決定的かと思われた手がかりは途絶えた。被害者の1人である矢吹さんの関係者らにも落胆が広がった。
「判決を聞いた瞬間、悔しさが広がった」。矢吹さんが通っていた桜美林高校で、矢吹さんの学年主任だった伊藤孝久さん(63)は「正直に言って、もう犯人検挙は無理なのかもしれないと思ってしまった。何とか希望を持ってやっていきたいが…」と肩を落とす。
スーパーの建物は10年に取り壊され、現在は駐車場になっている。事件の情報提供を求める看板が立っているが、転居などで当時を知らない住民も増えてきた。近くの主婦(63)は「昔は通りかかるたびに思い出していたが、今はそんなことも少なくなってきた」と打ち明ける。
捜査本部によると、これまでに延べ約16万人の捜査員を投入し、約1200件の情報が寄せられているが、今年は50件ほどにとどまり、有力なものはないという。「事件は今も警視庁のすべての捜査員の心にある。必ず犯人を逮捕し、ご遺族に報告したい」。捜査関係者の思いとは裏腹に、来年で発生から丸20年という年月は重くのしかかっている。
警察庁は、事件解決に結びつく情報を提供した人に対し、上限額600万円の範囲内で懸賞金を支払う。事件に関する情報提供は、警視庁八王子署捜査本部((電)042・646・4240)まで。