「生データの保存大切」 山中教授、STAP問題で指摘

 京都大の山中伸弥教授(52)が22日、産経新聞の単独取材に応じ、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・元研究員(31)=21日付退職=が検証実験で再現できなかったSTAP細胞の問題について「この騒動から学んだことは、生データの保存の大切さだ」と強調し、不正を防ぐ体制づくりの必要性を訴えた。

 山中教授がSTAP問題に言及したのは理研の検証実験の終了後、初めて。STAP問題について「原因は当事者でないと分からない。なぜ、あのような論文が発表されてしまったのか不思議で、本当に理解できない」と語った。

 山中教授は平成18年にiPS細胞の作製を発表した際、自身の実験結果を「疑ってかかった」と話す。実験担当者に何度も確認し、別の研究者に再現してもらったという。「それでようやく、再現性は間違いないだろうと発表した」と述べ、常識を覆すような研究は特に慎重な確認が求められるとの認識を示した。

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