元みんなの党代表、渡辺喜美前衆院議員(62)の資金借入問題と、自民党の小渕優子前経済産業相(41)の関連政治団体をめぐる不透明収支問題への東京地検特捜部の捜査が大詰めを迎えている。渡辺氏の聴取も始まったが、立件には高いハードルがあるのが現状だ。小渕氏の問題でも捜査は本格化しているが、政治資金規正法上、小渕氏本人の刑事責任を問うのは困難な見通しだ。
口座実態どう判断
渡辺氏をめぐっては、化粧品会社ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長(73)から平成22~24年、計8億円を借り入れていたことが今年3月に判明。政治資金収支報告書に記載がなく、大学教授らが政治資金規正法違反罪などで告発状を提出した。
党の調査によると、渡辺氏は借入金の大半を選挙前に党へ貸し付け。借入金が選挙目的であれば収支報告書に記載義務のある政治資金に当たる可能性がある。吉田会長は「選挙用に貸した」とするが、渡辺氏は「個人への応援」と説明。しかし「個人的な貸借」という点では両者の主張は一致しており、実際に返済もされている。個人的貸借には収支報告書への記載義務がない。検察OBの弁護士は「個人的貸借でなかったと検察が立証するのは難しいのではないか」と見る。