秘録金正日(2)

最後に頼ったのは「ほれた娘」影の後継者 死の間際に知った正恩らの失敗と裏切り

 晩年になって、金正日(キム・ジョンイル)は長女の金雪松(ソルソン)(39)と話し込む回数が増えた。

 彼女は公の場にめったに顔を出さなかったが、2002年8月、父親のロシア訪問に同行し、その姿が目撃されている。一行を案内した元ロシア政府高官のコンスタンチン・プリコフスキーによると、雪松は身長約165センチ、色白の美人で、中尉階級の肩章を着けた軍服姿だった。

 「私は、娘(雪松)にほれている。彼女も後継者の一人と考えている」と、金正日はプリコフスキーに告げたという。

 雪松は金正恩(ジョンウン)とは母親が異なり、金正日の夫人として知られる5人の女性の中で唯一、正式に結婚した金英淑(ヨンスク)との間に生まれた。幼少時代、父だけでなく、祖父の金日成(イルソン)の愛情を独占したといわれる。

 金正日の晩年のスケジュールを管理し、現地視察にも影のように付き従った。各部署から上がる書類にも目を通し、父に代わって重要案件を処理することもあるほど金正日が信頼した。

 北朝鮮元高官は、心身とも疲労する中、会う相手に長女を選んだのは、「後継者に指名したはずの金正恩に対する落胆がそれほど大きかったからだ」とみる。

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