秘録金正日(1)

最後の電話は「正恩へのいらだち」 愛娘と禁断のワインを手に…

 午後6時前には、雪松宅に到着した。居間で短い休憩を取った後、娘と2人きりで食卓に着き、ワインを飲みながら真剣に何かを話していたとされる。控えてきた酒を飲んだ上、健康状態に合わせ、特別に処方された薬もこの日は服用しなかった。娘との会話で気分がすっかりよくなったのか、グラスを頻繁に口に運んでいたと伝えられる。

 「疲れたからすこし休みたい」。午後7時ごろ、こう言い残し、寝室に入っていった。長女宅には父専用の寝室が用意されている。

寝室からブザーが

 1時間ほど過ぎ、寝室から急を知らせるブザーが鳴り響いた。過去何度か急に倒れた経験から手の届くところにブザーを置くのが習慣になっていた。

 居間で歓談中だった雪松と彼女の10代の息子、担当医が駆けつけ、目にしたのは卒倒した最高指導者の姿。口からは泡を吹き出していた。担当医はその場で心臓マッサージをしたが、意識は回復せず時刻は午後8時30分を回った。

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